FACET財団 – 社会的貢献活動
グラフ リーダーシップ センター内における活動
アフリカ南部に位置するレソトは、明媚な自然と豊かな文化を有していますが、同時に深刻な問題を抱えています。村の多くは、徒歩か馬でしかアクセスできず、大半の児童が男性至上主義的な社会で育ち、性的暴力やHIVの脅威、高い失業率、経済機会の欠乏という問題に直面しています。
一方、レソト北部のフロツェ村では、児童と大人が一緒に遊んだり、リーダーシップスキルを学んだり、歌や演劇の練習をしたりのびのびと生活している姿が見られ、その違いに驚くでしょう。
グラフ リーダーシップ センターでは、このような生き生きとした風景が日常となっています。同センターは、慈善団体「Help Lesotho」の協力の元、2008年にグラフの「FACET財団」によって設立されました。レリベの町に立地する同リーダーシップ センターでは、毎年数千人規模の児童や青少年、年配の人々が行き交い、将来への希望やスキル、モチベーションを育てる活気あふれる施設となっています。教育や心理的社会支援、リーダーシップトレーニングなど地域社会の喫緊の課題に対して、草の根レベルで取り組んでいるほか、全てのプログラムにHIV/AIDSおよび男女平等に関する教育を組み込んでいます。同センターは、貧困の悪循環を終結させ、安全かつ快適な環境でレソトの次世代を担うリーダーたちと共に明るい未来を実現することを目指しています。
これらプログラムを受講した人々の功績や成功は、地域社会に与える素晴らしい変化を十分に証明しています。地元で厳しい生活をしていた農家のレラト・モフベルさんは、偶然にリーダーシップ センターを見つけ、どのようなサービスが提供される施設なのか尋ねました。村会議員になるために求められるスキルを習得できると知ったモフベルさんは、コンピューターリテラシーと生活スキルのプログラムに申し込むという一世一代の決断をしました。
“同センターは、レソトの次世代を担うリーダーたちと共に明るい未来を実現することを目指しています。”
2017年末、モフベルさんは目標を達成し、地元自治体の町会議員に当選しました。彼は、考え方を変えるきっかけを与えてくれた同センターに対して、多大な感謝を寄せています。「私たちの文化では、男女各々が固有の役割を担うべきであるという考え方が一般的ですが、同センターでの講義を受け、仕事は男女関係無く、平等に共有されるべきであると理解しました。」
毎年、同センターは青少年男女に向けて3日間のジェンダー カンファレンスを主催し、男女平等と尊重することの重要性を推進しています。参加者は、学習したことを仲間と共有する方法について指導を受け、トレーニングの効果は教室の壁を越えて広がっています。
バソト族の女子リーダーシップ団体(Basotho Girls’ Leadership Corps)の卒業生であるリジェング・ントコアネさんは、同センターで学んだこと全てを外部の人々に伝える活動を行っています。ントコアネさんは、高等学校5年間をグラフ リーダーシップ センターのホステルで過ごした後、レソト国立大学で政治学と行政学を専攻しています。
プログラムマネージャーと一対一のミーティングを行うことで、自尊心を身につけ、彼女自身が直面する困難やレソトで生活をする少女たちが直面する問題についてオープンに話すことができるようになりました。そして、リーダーシップスキルを磨くことに繋がったと、ントコアネさんは説明します。
「プログラムを通して、私がとても大切な存在であること、話を聞いてもらう資格があることを教えてもらいました。これらは、私が感じた最も大きな変化です。」
ントコアネさんは、このセンターで勉学に興じることができたことをとても幸運だと感じています。図書館やコンピューターなどの施設に常時アクセスすることができ、数学と英語のサポートを受けることもできました。
「本当に、今の私があるのはグラフ リーダーシップ センターのおかげです。」と微笑みながらントコアネさんは話します。「自分の人生だけでなく、地域社会や世界中の人々の生活を変えることに貢献できる力を身につけました。」
慈善団体「Help Lesotho」が運営するグラフ リーダーシップ センターは、開発プログラムを通して、地元の児童や青少年により良い生活スキルを身に着けてもらう活動を行っています。
詳しくはこちらをご覧ください: facet-foundation.org